統合趣味環境

その都度、気になったことを綴ります。

これまでに読んだ 光学/光工学 の本たち

光学の勉強で読んでいる本

いまのところ、幾何光学から始まって光学全般(ホログラフィを除く)を見回してきた。最近は発展してレンズ設計について詳しく読み始めた。

「うーん、光学とレンズ設計は本質的に違うかもな~(小並感)」という雰囲気を感じ始めたし、今まで集めた情報が脳内のみならず物理的にも氾濫している(整頓が下手くそなんです)ので、ここらへんで今まで読んできた本を軽くまとめておく。

意外に「光学・光工学の勉強に適した本」とかを検索してもイイ感じの本がヒットしなかったり、某通販サイトの評価は星4以上なのに私の自習の感触ではあまりオススメできない、あるいはその逆という本があるので、誰か素人の目に触れ、参考にされると嬉しい。一方で私も初学者なのでオカシイことを主張する可能性があるから、あくまで参考にする程度にとどめて頂きたい。

なお文献は書名と著者名(必要なら編纂に関わった企業名や訳者名)のみしか記していないが、これをネットで検索すれば一発で某通販サイトやらが出てくると思うので許してほしい。


『光学の原理(1)』, Max Born, Emil Wolf (草川 徹 訳)

光学の分野を広く見渡すことができた。けど、理解しようと思うなら初学者には非常にキツイ。1巻ではいわゆる三角光線追跡について手法が掲載されていて、完成しつつあるプログラム(2次元光線追跡は完全にできるようになった)の基本的な式はこの本から学んだ。以外にこの手法の数式を書いている本が少ないかもしれない。内容としては高校生でも理解できるレベルの幾何なのだが、最近は後で述べるベクトルを用いた光線追跡手法に淘汰されてしまい重要性が薄れているのかもしれない。

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『光学の原理(1)』を読むと、一応こんなことができるようになる。

光線追跡のコードは全体の分量の1/4にも満たないと思うけど。

『光学の基礎』, 左貝 潤一

買って手元に置いている本の一つ。非常によい。本当に初学者向けのレベル。これを読むと光学の基本事項が理解できる。レンズにつながるのは近軸光線追跡のところで、この本では行列光線追跡を行っている。光線角度が特殊だった気がする(業界によって基準が変わるらしい)。この定義がややこしく、最終的に屈折行列と転送行列のみ活用したが角度表記は『レンズ設計工学』の手法を使った。回折や干渉だけは最初に別の本で勉強した方がいい。あとで読み返してみると非常に理解しやすい。総じて神本。

『光学』, 谷田貝 豊彦

回折と干渉の部分だけ利用した。非常に分かりやすいがGreen関数の符号が『光学の基礎』と逆なので注意(どちらでも成り立つから困る)。ある程度の複素フーリエ変換の知識があればついて行ける(定義式を知っているだけでもけっこう行ける)。これ以上に興味が出たら『フーリエ結像論』とか『ヘクト 光学』を読むべきだと思う。巻末に、分野別の参考にすべき図書がまとめられていて非常に親切なので、私のサイトよりこちらを信じるのも一つの手(ただしここで挙げている本の大半はそこに書かれていたはず)。

『ヘクト 光学 III : 現代光学』, Eugene Hecht ( 尾崎 義治, 朝倉 利光 訳)

フーリエ光学あたりを勉強しようと思って手に取った。これは3巻立てで、現代光学は最終巻。このシリーズは「光学」であって、レンズ設計など「光工学」そのものは出てこない。1巻の光線追跡に関しても単レンズ程度の近軸追跡のみ触れている。3巻のメインもあくまでフーリエ光学であって、前半では開口や画像そのもののフーリエ変換をこまごまと書いている。いかにも専門書の香りがする。いまのところあまり利用していない。

『光学ハンドブック――基礎と応用』, 宮本 健郎

先に触れたベクトルを用いた3次元光線追跡をメインに、回折・干渉の部分を少し利用した。Green関数は±を使って表記されているので上の2冊の折衷。『光学の基礎』で勉強した近軸追跡と3次元光線追跡を合体させてスポットダイアグラムが描ける(下図)。実際にはより多くの光線を追跡する必要があり、最近は1000点以上をプロットさせている(この必要性は『フーリエ結像論』を読むこと)。式変形が丁寧でお勧めできる。

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さっきのレンズに対して計算したスポットダイアグラム(左)。右は入射瞳とそこを通る光線

フーリエ結像論(復刊)』, 小瀬輝次

レンズのフーリエ変換作用について書かれている。比較的わかりやすい内容で、同じような内容の光学ライブラリー1巻目『回折と結像の光学』より噛み砕いて(さらに一つの分野に特化して)書かれているので親切に感じる。スポットダイアグラムから光学伝達関数(いわゆるOTF)を求める方法が書かれている。ここら辺で「スポットダイアグラム重要やん!」と思ったので、上で紹介した『光学ハンドブック』で3次元光線追跡を勉強した。フーリエ変換の理解を深めてからもう一度読みたい。

実は最近読み返した結果、曲がりなりにも幾何光学的MTFが描ける基礎理論が完成した。レンズメーカーのサイトにあるようなグラフとは種類が違ううえ彼らは波面光学の視点から求めているので、引き続き研鑽を積みたい。

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光軸上の無限遠点に対するMTF(仮)。先ほどまでのレンズ系とは違う系による。

『レンズ光学入門―結像の本質を射抜く』, 渋谷眞人

順番的には2番目くらいに読んだが順位は下の部類だと思う。初心者がここで分からないからと言って歩を止めると時間の無駄なので、迷わず先に進み続けるべき。収差の計算手順の導入あたりが比較的詳しいが、実際に収差係数を求めてはいなかったと思う。ただ、収差とどう向き合っていくかが初心者レベルで細かく書かれているのも確かであり、正弦条件不満足量(OSC)について詳細に触れているのは今まで読んできたところ、この本しかないように見える。

『レンズ設計法』, 松居吉哉

復刊された新しいものを読んだ。収差係数が載っている本は比較的少ないので貴重な一冊。薄い。とはいえ、わかる人が見ればわかるのだろうが、素人には厳しい一面もある。収差係数の導出は書かれておらず、完全に「実用」に特化した感じがある。5次収差係数にも触れており稀な内容になっている。春休み終盤に借りたせいであまり読めていない。いつかまた読みたいと思える本でもある。いろいろな本で参考文献に取り上げられている。同じように幾度も参考文献に挙げられている例では久保田広の『光学』があるが、まだ見たことがない。

『レンズ設計のすべて 光学設計の真髄を探る』, 辻定彦

レンズ構成の歴史を一冊にまとめた本で、かなり親切な部類に入るしその領域の専門書では稀有で貴重な存在ではなかろうか。巻末にはレンズデータも載っているため非常に便利。レンズデータは曲率半径・レンズ間隔や厚み・屈折率やアッベ数(硝材)だけが載っているものも多くて困るが、この本はレンズ半径もあるので親切。というのも口径食(vignetting)が計算できないからね。歴史上「イエナガラス」の開発がどれほど重要だったかがわかる本。また、新旧ダブレットそれぞれの特色(拡散・収斂作用)と、それを活かした設計例がわかる。後で触れるが巻末には収差図も載っており、この本の表現方法は比較的良い。ただサイト上で評価が妙に低いのが気になる。素人が読む分にはもっと上位で良い。様々な文献で目にするが、レンズ設計者はレンズの歴史を知っておくこととその特性を熟知していることが重要らしい。

『シッカリ学べる!「光学設計」の基礎知識』, 牛山善

一番最初に『光学の原理』と共に読んだ。素人にはぴったりだが、これを読んで何かができるようにはならない。分野の紹介程度にとどまる。全体を見渡すのにはちょうどいい内容。この感想文から分かる通り、あまり活用していない。

『Modern lens design : A resource manual』, Warren J. Smith, Genesee Optics Software, Inc

突然の横文字だが、これはレンズのデータがびっしり詰まった一冊で、非常に重宝する。私はこのデータを部分的に取り出してExcelに書き込んで、プログラムに計算させている。非常に古い特許が多いので硝材のデータが見つからないこともある(少なくとも素人の我々には探せない)。また、横収差図がたぶん像面上ではなくメリジョナル・サジタル像面上で描いてあるので、この点は『レンズ設計のすべて 光学設計の真髄を探る』とは異なるし、計算させにくい(ぶっちゃけ今はできてない)。球面収差図はある程度一般的で、これをもとに計算やデータが合っているかを確認できる。ただし正弦条件不満足量がプロットされておらず、d、F、Cの波長がプロットされている(と記憶している)。

『綜説応用光学』, 応用物理学会

古い本だが、波面光学の観点から収差係数を求めている点で貴重。ただし途中の計算は多分に省略されているので不便。おそらくこの計算はSchwartzchildとHertzbergerの方法をなぞっていると思われる。ぶっちゃけ、ぜんぜん使ってない。収差係数の導出を探しているときに手に取ったので書いておくことにした。

『レンズ設計工学』, 中川 治平

買って手元に置いている本。現在読んでいる途中。収差係数の導出から書いてあるため貴重。この導出方法が『レンズ設計―収差係数から自動設計まで』の巻末にも記載されているが、「中川式」と書かれており独自の計算方法なのかもしれない。また、メリ・サジ像面の求め方も書いてあったりするので非常によい。再版してくれてもいいのになと思う。私は古本で手に入れました。これも評価は低いがおすすめできる。もちろん、いろいろな点で「最初に読むべき本ではないな」「この分野の慣れが必要だな(生意気な素人)」と感じるが、収差係数を球面収差などのみにこだわらず全般にわたって導出しているのは比較的最近の本ではこれしか無いんじゃなかろうか。こういった点では貴重だし、わざわざこの部分が書いてある本を探し求めて神保町まで赴いたのは無駄ではなかったと思う。

『レンズ設計―収差係数から自動設計まで』, 高橋 友刀

『レンズ設計工学』でも示唆されていたのだが、私がまだ収差係数を求める際の規格化問題を理解していなかったため助けを求めた本。ぶっちゃけまだ解決していないが大体の予想がつけられる内容だった。『レンズ設計工学』の後に同出版会から出された本で、内容は被る点も多いがしかし演習がどの本にも引けを取らない。ましてレンズ設計寄りの演習なので貴重(私は怠惰なので演習を解くより自作プログラムを優先させたが...)。

サイトだけど...株式会社レンズ屋 さんの『光学サロン』

めちゃいい。見てみることをお勧めする。レンズデータも載っているので良い。質問コーナーみたいなのがあるんだが、いろんな人の悩みを見て、プロの解答に触れる機会を作ることができる点で最高。


総じて感想

光学・光工学の勉強を始めて1年半くらいだが、思ったより色々な本を読んでいた。全部がある程度役に立っているという点を強調しておきたい。まだ読んでいない名著(たとえばBerekの『レンズ設計の原理』、Duffieuxの『フーリエ変換とその光学への応用』とか)もあるので、今後も頑張るぞ...まあ、ほどほどに。

EF 70-300mm F4-5.6 IS II USM について追記

どうも飛行機の画像がぼんやり感じるようになってきた。

例の二線ボケの影響のようでもあり、また別の収差によるものかもしれない。収差が影響しているなら絞ってしまえばいいじゃないかと思ったため、少し挑戦してみた。

絞りって何?

レンズの中に組み込まれる、だいたい円形に穴があいた板。目でいう瞳のこと。カメラにも瞳の概念がある。これによって入ってくる光を調節し、眩しい・暗くて見えないといった状況を回避できる。

なぜ絞りに注目?

私とて、被写体は空を駆ける航空機、やはりシャッター速度に重きを置くのが基本だった。しかし画質を考えてみよう。シャッター速度は像の明るさを調整する重要な要因だが、絞りは明るさとともに画質も決める。従って画質を追い求める以上、絞りは至極重要なものになったのである。

絞りが被写界深度・画質に関係してくる理由は何だろうか?

これはレンズの性質そのものに迫る疑問だ。

そもそもレンズの基本的な表面形状は球面であり、そのようなアバウトな形状では光は一点に集光しない。これが「収差」で、レンズ周辺に至るほど「焦点のずれ」は顕著になる。絞ることで、像は暗くなるものの、この焦点ずれの顕著な部分を無いものとして扱えるようになる*1

まあ、早い話が、「レンズのいいとこだけ使いましょうね、ただし像は暗くなりますよ」ということだ。

いざ実験!のつもりが...

まあコロナの影響で羽田に行きたいとは思わないが、電車を望遠で撮ってみた。

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EOS 80D/EF 70-300mm IS II USM, SS:1/400sec., f/11, ISO320, 300mm

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EOS 80D/EF 70-300mm IS II USM, SS:1/1600sec., f/5.6, ISO320, 300mm

オレンジの東武線車両を少し絞り気味にf/11で、紫の半蔵門線車両を開放f/5.6で撮影した。レビューなどを見るに「f/7以上絞らないと使えない」など散見されたので、この閾値を挟んだ値を取って実験を行った。とはいえ車両が違うため一概に比較はできないことを断っておく。

結果というか雰囲気というか、あまり解像力に差は無いように感じるのだが...違うと感じるのは被写界深度、すなわちピントの合っている前後領域の範囲で、f/11は後方まで、f/5.6は車両前面のみピントが合っている。従ってf/5.6の方が立体感の感じやすい像となっていることは明らかだろう。

って、いや、今回気にしてるのは被写界深度じゃないのよ!

飛行機の写真がぼんやり感じるのは間違いない、が、これは比較する対象を誤ったようである。というのも、被写体との距離がそもそも違っている可能性があるじゃないの。この電車の写真ではおそらく物体位置が無限遠ではなく有限の値(RAW現像してないのでデータがないが)。一方で航空機撮影の場合、おそらくカメラが測距を諦めて無限遠に調整していると思われる。

結局、今回得られた結果は「比較的物体との距離が短い場合、このレンズの絞りは解像力にそれほど関係しない」ということであった。とほほ...まあ鉄道ファンや駐機場の航空機撮影には有用な情報かしら。

まあ、今後も絞りの影響に注意していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

*1:一方で、厳密には絞りの裏に回り込むような光の波=回折光が顕著になるようだが、今回は気にしない

Canon謹製、EF70-300mm F4-5.6 IS II USM

レンズを比較すること

ちょっとレンズについて発見したかもしれないので、今回はその話。

発見というのは、私の使っているCanonの純正レンズ、「隠れLレンズ」ことEF70-300mm F4-5.6 IS II USM(以下、300mm)ちゃんについてのことなのですが…

 

先日、親戚の白レンズ(すなわち本物のLレンズ)、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM(以下、400mm)を使った時のことです。

羽田の第二ビルで写真を撮っていました。白レンズの重量にほとほと呆れ返って、私の私物300mmに付け替えた瞬間でした。

「あれ、輪郭線が違う」

ファインダー越しに分かるほどのシャープ感の差。家に帰って調べてみると、確かに城南島でも同じように輪郭線に差が出ていました。

ここら辺を比較したところ、300mmの特徴が少し見えてきた気がしたので、ちょっとまとめてみたいと思います。

比較してみよう!

以下に、比較対象の写真をあげてみました。

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400mmにて。実際は200mm。画質を半分に減らしました。あまりに元画像が暗かったうえ周辺減光がひどかったので+0.83の明るさ補正をしています。

柔らかいような印象でしょうか?ふわふわと浮かんでいる、そんな表現がぴったりのようです。

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私の主砲、300mmにて。実際は147mm。400mmと色味が違うとかは置いといて…これは撮って出しですが画質は半分にしています。

こちらは、どーんと構えている感じでしょうか?締まっているという表現が似合うようです。

 

これら二つを比較してみたいと思います。なぜ比較できるのかって?いい質問ですね。実は、もともと二つのレンズを比較しようと思って同じ設定で撮っているからなんです。

・絞りf/5、シャッタースピード1/2000[s]、ISO感度125、ピクチャースタイルは風景

と、こんな感じです。使用したカメラ本体はEOS 80Dです。ちょっと飛行機の背中側を覗いてみましょう。

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400mmの方。背中が柔らかくボケています。

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300mm。ガサガサな印象を受けますが、それゆえ力強くもあります。

何を血迷ったか、400mmではWBが太陽光なのに対し300mmではオートの雰囲気優先になっていたため、400mmの方が青っぽいです。

 

さて、400mmは綺麗に機体の白と空の青が移り変わっています。一方で300mmはどうでしょう?いかにも「輪郭線」のような黒っぽい線が挟まれているように見えます。二つの写真では引き伸ばした倍率が違いますから単純な比較はできませんが、それでも雰囲気は全く違うことが分かるでしょう。

二線ボケとは

ちょっとこの原因を探してみましょう。私の主砲300mmを検索したところ、「二線ボケ」なる単語がヒットしました。輪郭が二重に見えるのです。

原因は球面収差の過度な補正とのことです。

 

特にこの部分を論じたからといって解決するわけではないのですが、ちょっとまとめてみました。気にしない場合は読み飛ばして構いません。

球面収差とは

聞きなれない単語ですよね。

紙を虫眼鏡で焼こうと考える少年少女は多いと思いますが、ここで質問したいことがあります。集光したとき、本当に一点に集まっていますか?

学校の予算で買えるようなレンズは特殊な形状をしておらず、おおかた球面です。特に数式を解くことなく「球面にされた」レンズの気持ちを考えてみてください。一点に集まろうはずもありません。これが球面収差です。

カメラレンズは複数のレンズの集合体ですが、その特性の顕著な部分は「複数の誤差の要素たち」で表現できます。いわゆるSeidel五収差です。このうちの一つが球面収差で、他には歪曲収差やコマ収差などがあります。

球面収差の補正が甘いと、先に述べた「紙を焼く光の点」の中でムラができ、周辺だけ光が濃いなどの現象が起きるそうです。

球面収差を簡単な言葉で表すなら、

「レンズに入ってくる入射光のレンズ中心からの高さh」によって「倍率β」が変化する

とでも言えましょうか。hは光軸からの距離とも言えますね。倍率の変化をテキトーに調整すると像がダブりそうですが、なるほどそれで輪郭が濃く見えたのかもしれません。

あいにく机上の論では無限遠方の光線とか点光源とかを考えるのが簡単ですし、三次元の物体を紙面上で結像させるほど私は頭が良くないので、これくらいの概念で許してください。

球面収差の補正は光学系によって決まりますから、自分勝手にレンズを組み合わせて「球面収差の過度な補正」状態を作り三角光線追跡式で評価することももちろん可能です。が、今回の問題はそんなことではなく、むしろ写真という結果論ですから、これ以上は議論しないことにしましょう。

本当の原因は?

うーん、何となくわかった(?)けれど、本当にこれが原因なのか?やはりこれが気になりますよね。残念ながらCanonのサイトではMTF特性図というコントラストとか解像度の評価ができる図しか載っておらず、球面収差のわかる「球面収差図」が手に入りませんでした。これがあれば、球面収差がないとき(正弦条件のとき)の線「OSC」をプロットしてもらって評価できるんですが…

迷宮入りとせざるを得ないようです。

しかし、自分のレンズにこんな特徴があるとは思ってもみませんでした。

特性を知っておくこと、特性の原因を知っておくことは実用的にも教養的にも大事ですね!

他の観点から

他の写真を見てみると、さほどこの特徴の差が見られないような場面もありました。

しかし、やはり力強さと言うべきか、描写の違いは感じます。

以下に、第二ターミナルで撮った写真を貼っておきます。

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400mmにて。文字が読めるしピンボケではなさそうなんだが…陽炎のせいとしか言えないのだろうか

どうも判然としない描写力。ノロノロ走る飛行機にオートフォーカスがついていけないはずはないんですが…陽炎を忠実に描写し過ぎたのでしょうか?

しかし陽炎のせいとはいえ、以下のような写真が300mmで撮れることは注意すべき点です。

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300mmにて。いくらひどい陽炎でも、これくらい力強い描写はできる。

当然、陽炎の質の違い、場所の違いはあります。しかしこの目の覚めるような鮮やかさや描写力は、300mmのニセLレンズとはいえ、真のLレンズたる400mmに負けません。それどころか勝っているでしょう。

結論!

私物を馬鹿にされたくない感情はあります。しかし、いままでの議論を振り返ると個人的には300mmの我が主砲を推したいところです。

300mmの描写は一級品、力強く、それでいて繊細な構成の写真が撮れます。

一方で400mmは、描写力の高さを武器にしつつ、ふんわりとした柔らかな印象を受けます。一方でそれがぼやけた印象を与えることもあるようです。

よって、以下の結論を与えます。

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、神レンズだった!

非常に軽量な710[g]のボディ、シンプルなデザイン、初の液晶ディスプレイ搭載という才色兼備の出で立ち。100-400mmの重量1570[g]に比較すればその優秀さは歴然でしょう。そしてそのレンズが映すのは打って変わって迫力に満ちた世界なのです!

普段使いに丁度いいとか、そんな次元じゃない!

これは…本当に優秀なレンズなんだ!

 

しかしこうした意見が言えたのも、重量がありすぎて三脚の持参を余儀なくされたうえ、腕が疲れてグロッキーという結末に至らしめた文鎮こと100-400mm望遠との比較の末の結論です。親戚にはこの場をお借りして御礼申し上げるとともに、光学の参考とさせていただいた各サイト、そして渋谷眞人氏の『レンズ光学入門』なる書籍に感謝の意を表します。

 

追伸

カメラレンズの数式的なオベンキョウは私のHTML技術が向上したのち書くかもしれませんが、撮影に応用できるのは被写界深度とか、Fナンバーと明るさの関係(これらを論じるには正弦条件とかNewtonの公式の理解が必要)程度なので、ひょっとすると書かないかもしれません。

設計者でもない限り、収差論とかMTF特性図の数学的議論は必要ないでしょう。

文章中で出てきた「三角光線追跡式」について書いても良いかもしれません。

がんばれ未来の自分!

飛行機の写真を撮ろう

飛行機の写真、「どうしても無機質になってしまうな」とか、「のっぺりとした写真になっちゃうな」とか思うことが多々あります。

 

備忘録みたいな感じで撮影のポイントを書いていこうと思います。

 

飛行機の何が撮りたいの?

「青空バック」と言われる背景が青一色の写真は難しい(白っぽくなることがある)うえ単調で、素人が撮ったように見える。

ある程度雲がある写真の方が良い気がする。

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城南島海浜公園にて。EOS 80D, シャッター優先オート(Tv), 1/500s, f8, ISO100

空を飛んでるぞー!って感じられる写真って、きっと地面も写ってる。

意外に、空の一部分を切り取りがちだけど、地面との距離感が表現できるような画角は一風変わった表現ができるかな。

写真を撮っていると視野が狭まりがち。

一歩下がった画角を狙う。この気持ちが重要かも。

 

夜の空港が綺麗!

夜景は綺麗だけど難しい。黒潰れがキビシイのとISO感度のざらつきで地獄を見てきた。

でも、素人でもいい写真が撮りたい。

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羽田空港第二ターミナル。EOS 80D, Tv, 1/15s, f5.6, ISO1600

 

ポイントは

濃淡をはっきりさせろ

って感じかしら。コントラストですね。

 

夜景は青っぽい印象を持つ人が多いと思う。僕もそう。

その印象を操作するのがホワイトバランス。全体の色味を赤か青のどっちかにシフトさせる雰囲気のもの。

ただ、ホワイトバランスを「白熱電球」にする人が多いのが解せないんですよね...僕は、白熱電球だと青くなりすぎるし嘘っぽいので白色蛍光灯の設定でよく撮っています。いい感じの青紫にシフトする。

 

最近、一眼のファインダーにレチクルが表示できることを発見。とてつもない今更感があるけど...よく構図が傾いていることがあったので、これは大きな進化かもしれない。

横田基地開放 行ってきました

横田基地は、東京都にある米軍基地です。

 

どんな部隊がいるか、詳しいことは知りません。が、たまに米国の要人をのせてレアな機体が飛来することもあります。

横田基地の開放は二日にわたっていて、最終日の夜には花火が打ち上げられます。

2019年は9/14と15でした。

 

どんな飛行機がいるの?ということで、写真を載せていこうと思います。限りなく黒に近いグレーの写真も撮っているのですが、さすがに公開すると公安に捕まりそうなので控えさせていただきます。

まあ、もっと見たかったら現地に行くべし。

 

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わー、かっこいい。F-16です。ミサイル、実弾ですね?ほんとかな。

軍用機は初心者なので(そうでもないが)テキトーなことを言う可能性が高いです。注意してください。

 

屋台もたくさん出ているのですが、昼はあまり行きませんでした。航空ファンだし。

 

上の写真はF-16Cのブロック50?でしたっけ?猛烈にテキトー。詳しいことはWikiに聞いてください。

翼の端についているミサイルはAIM-7というもので、一般にスパローミサイルと言います。また、その下あたりについているのが、AIM-9でサイドワインダーです。

両方のミサイルとも、自衛隊でも配備しています。スパローはあまり性能が良くないようですが(出典は定かでない。たしか湾岸戦争か何かの戦果)、形状がかっこいいですね。とはいえ改良されたシースパローが海軍にも配備されているはずなので、性能いいんじゃないですかね?

この戦闘機は比較的安いようです。ハイ・ロウ・ミックス計画というのがあって、こちらはロー。ロープライスってことでしょう。

 

ハイはこちら。

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かっけー。てか、空が綺麗。つまり暑いんです。

F-15です。愛称はイーグルです。進化版にストライクイーグルがありますが、この写真のは前者ですね。

エンジンに空気を送り込む入り口をエアインテークと言いますが、その横に何か怪しげな膨らみがあればストライクイーグルだと勝手に思っています。

この写真ではエアインテークが赤色のカバーでおおわれていますね。駐機時に異物が入らないようにでしょうか?このほかにも赤色のぴらぴらが付いていますが、これらは皆、安全ピンと呼ばれています。

うかつに触れてはいけないため、整備時にけがをしないためなど理由は様々ですが、飛ぶときは必ず外すため、あまり見かけないかもしれませんね。かつて、旅客機で整備後にマスキングテープをはがし忘れて墜落という事故があったそうです。飛行機とはそれくらい繊細なんです。そのような事故を防ぐため、安全ピンには"REMOVE BEFORE FLIGHT"の文字が書かれています。

 

さて、先ほどのはジェネラル・ダイナミクスという企業の商品ですが(一般家庭に売っているわけではない)、こちらはボーイング。旅客機なども造っている会社です。

サイズもF-16より一回り大きいですし、高額(らしい)です。

翼の下についているのは爆弾でしょうか?いいえ、これは増槽といって燃料のストックを増やすものです。内部構造は案外複雑で、前・後ろ・中央の順番に燃料が消費される構造らしいです。空中戦になった時は邪魔なので切り離します。切り離すときも結構複雑です。形状的に(そうは思えないが)揚力が働くので、後部にフックがあって、それを支点に切り離すようです。

 

これも自衛隊が配備しています。

また自衛隊F-16の類似機(というと三菱が怒る)も配備しています。三菱F-2という支援戦闘機です。「平成のゼロ戦」や「バイパー・ゼロ」の異名があるように、一応国産です。もともと純国産を望んでいましたが米国がF-16を売り込んできたため、共同開発となりました。Fly-by-Wireソースコードは純国産のようです。

フライバイワイヤとは飛行機をヒンジなどで物理的に操作するのではなく、電気的に制御することです。このおかげで最近の戦闘機は、自動で無駄なく旋回できるようになっているようです。もちろん旅客機にも採用されています。

 

こんな感じの基地開放でしたが、誇張ではなく本当に飛行機と触れ合える機会ですので皆さんも行ってみてはいかがでしょうか?

一回の記事では書ききれないようなので、とりあえず今回はこの辺で失礼させていただきます。

初めまして、ブログ始めることとなりました。

私事ではありますが、先日、羽田空港で出会った家族連れのお父様にブログがあるかと問われ、少し興味がわいたため、今回ブログを開設させていただくこととなりました。

 

 

おそらく不定期に飛行機の写真などアップさせていただくことになると思われます。

 

ブログ初心者ですので拙い編集になるとは思いますが、なにとぞ応援のほどよろしくお願いいたします。

 

 時々間違ったことを言う可能性があります。

 

間違いの無きよう努力はいたしますが、力の及ばない点もあると思いますので、

 

 

くれぐれも個人の意見として

 

 

このブログの内容を確認してくださればと思います。

 

それではこれにて、簡素ではございますが、開設のご挨拶とさせていただきます。

 

なお私のあだ名が決まっておりませんのでご了承ください。

近いうち決めます。

 

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基本的に羽田で活動します